「どこかに行きたい」と君が言ったからそれを受けて手を引いたまでのことだ。世界中の物語で書き殴られているような逃避行だと、僕は思っていた。 「光忠」 だから、僕が持っている長谷部くんの写真は、小さくて小さくて、拡大すると顔がぼやけてしまうほど小さくて。僕はそれが未だに悲しい。 あの日のように、あの日よりもいくらか優しく、手首を掴んだ。走り出すこともしなかった。逃げないことも、声を荒げないこともわかりきって。 |
【あなたの作品のここが素敵!】 鉢さんさんへ / 猫舌 より 作品URL:http://the-challenger.ru/goto/aHR0cDovL2FscGhhY3V0LmNvLnVrL2NhdGFsb2cvdmlldy90aGVtZS9fYWpheF92aWV3LXByb2R1Y3RfbGlzdGluZy5waHA/cHJvZHVjdF9ocmVmPWh0dHAlM2ElMmYlMmZ3d3cucmVwYWlybXl3aW5kb3dzYW5kZG9vcnMuY28udWslMkZ3ZWx3eW4td2luZG93cmVwYWlyJTJG |