「どこかに行きたい」と君が言ったからそれを受けて手を引いたまでのことだ。世界中の物語で書き殴られているような逃避行だと、僕は思っていた。 「光忠」 だから、僕が持っている長谷部くんの写真は、小さくて小さくて、拡大すると顔がぼやけてしまうほど小さくて。僕はそれが未だに悲しい。 あの日のように、あの日よりもいくらか優しく、手首を掴んだ。走り出すこともしなかった。逃げないことも、声を荒げないこともわかりきって。 |
【あなたの作品のここが素敵!】 鉢さんさんへ / 猫舌 より 作品URL:http://forum.siamnetworker.com/go.php?url=aHR0cDovL3N0b3ZlLnJ1L2FjdGlvbi5yZWRpcmVjdC91cmwvYUhSMGNEb3ZMMk56WlM1bmIyOW5iR1V1WTI4dVkyc3ZkWEpzUDNOaFBYUW1kWEpzUFdoMGRIQWxNMEVsTWtZbE1rWjNkM2N1ZEc5d2MyTmlaSE5vYjNBdVkyOXRKVEpHY0hKdlpIVmpkQzFqWVhSbFoyOXllU1V5Um1OaVpDMWtjbWx1YTNNbE1rWmpZbVF0WTI5bVptVmxKVEpHL1lUMXpkR0YwY3laMVBXUmxjbkpwWTJ0MllXNWpaVFE1 |